


例の傷害事件公判で兵庫県住宅供給公社証人の不可解な証言におどろいたNは、某県会議員に依頼して公社代表3名と県議会控え室で会うことになった。平成17年11月07日のことである。
←兵庫県議会
つぎはそのときの代表らの発言要旨である。
- ST団地自治会の前(平成16年度)役員某から委託事務費と自治会費の合体会計について相談を受け、これを了承した。
最初の発言が招いた事態については前回述べたとおりである。今回取り上げる三番目も法治国家日本では考えられない珍無類のコメントだ。
上記の発言について、代表らはNからその法的根拠の提示を求められて文書回答を約束しながらこれをホゴにしたのである。
つぎは前にも引用した「駐車場管理委託契約書」の一部である。
この第4条「前条の委託業務を遂行するための事務費云々」の事務費(委託事務費)とはそのものズバリ委託業務遂行者への対価である。委託業務は委託業務の内容が勝手に独り歩きをして遂行するのではない。遂行するのはヒトなのである。
公社代表らはこの事務費を委託業務の遂行過程で発生するいわゆる間接経費(雑費等)と一人合点をして、その結果、委託事務費のありもしない「残高」が妄想となって独り歩きを始めたのである。
委託事務費を雑費にすりかえて世間に通用すると思っているとすればこれほど世の中をナメた話はない。
障害者支援や災害時のボランティアとは次元の異なる県民の無償奉仕がなぜ兵庫県住宅供給公社の営利事業に必要なのか。
契約締結時における自治会会長の署名は委託業務遂行者全員を代表した署名である。こんな小学生でもわかることが公社の代表らにはわからないらしい。
世間と隔絶した非常識にスタンスを置き業務遂行者に帰属する権利が「権利能力なき」自治会に属するという根も葉もない思い込みに固執しているからである。
常識で考えて、団体同士の契約でその代表が署名をするのはあたり前の話である。団体の構成員全員の署名が必要だとしたら上は国際条約から下は民間企業、任意団体に至るまで契約の締結は不可能となる。
契約の効力が署名をしていない団体の構成員に及ばないというこの奇妙なヘリクツはやくざの言いがかりとくらべて遜色のない非道な発言だ。闇社会の紳士たちはしばしばこれに類した詭計をかまえてカタギを食うのである。
一方、上記契約書の表記にも問題がある。
「委託業務を遂行するための事務費」が委託事務費であるにもかかわらず、文脈を無視して読むと業務の遂行にともなって発生する間接経費と誤まって読まれかねない省略表記になっている。
さらに第4条には委託業務の「遂行者」あるいは「対価」という文言が見当たらない。これもあわて者の早とちりを招きやすい。
これはちょうど「あれは月だよ」と指差す指だけを凝視して、指そのものを月だと錯覚する幼児に似ている。代表らには「委託業務を遂行するための事務費」という「指」だけが見えて「月」すなわち遂行するヒトが見えていないのである。
もしかしたらヒトがいないのに動作や行為だけが見えるという怪談話が公社代表らの趣味に合っているのかも知れない。
「動作や行為」にはその「主体」が必ず存在する。委託業務の遂行という「動作」にもその「主体」である遂行者が存在するのはあたり前の話である。
一般に日本語は主語(主体)ぬきでもおおむね理解できる言語と言われている。こういう仕方でわれわれは幼少時代から日本語を習得し文意文脈を理解してきたのである。木を見て森を見ない公社代表たちの非常識はそのいびつな国語読解力とみごとに釣り合いが取れている。
当該契約書第4条に委託業務の「遂行者」という文言が明示的に表現されていなくても、あるいは「委託事務費」が「事務費」と省略表記になっていてもその文意は明白である。

奇態な錯覚をかえりみず、駐車場管理の歪曲運営に固執する公社職員らにたいする県の対応もずさんの一語につきる。
去る(平成19年)05月08日に兵庫県庁の住宅管理課で一連の問題について話したとき、応対した幹部職員の話では県営住宅駐車場は兵庫県住宅供給公社の独自経営なので自治会との契約について県は関知していないし指導監督の立場にないというものだった。が、公社の文書には県(住宅管理課)の指導のもとで(県営住宅駐車場の)管理運営を行なう、と書いてある。
話を進める。冒頭の公社代表らのコメントでは委託業務はボランティアで委託業務遂行者に委託事務費を受領する資格はないことになっている。一方自治会(会長)の裁量で行なう委託事務費の流用は自治会の自治能力だと言ってはばからない。
かれらは自治会の自治能力を法人の権利能力ととりちがえているが、自治会は法人格を有しない任意団体すなわ「権利能力なき社団」である。
上は日本大百科辞書からの引用である。
上記赤線部分に権利能力のない社団や財団は「今日では、できるかぎり社団法人・財団法人として取り扱うべき」とあるが、任意団体の自治会が兵庫県住宅供給公社と委託業務契約を締結しているのはそのためである。
一方「ただし、団体財産の所有関係については、法人有ではなく、あるいは総有と解し云々」とあるように、権利能力のない自治会が独自に財産を所有する権利はなく、総有つまり財産は団体構成員に帰属する、という意味である。
次は「wikipedia」からの引用である。
「権利能力なき社団」とは、
「(最高裁)判例によると、団体としての組織を備え、多数決の原則が行なわれ、構成員の変更に関わらず団体そのものが存続し、代表の方法・総会の運営・財産の管理その他団体として主要な点が確定している場合、権利能力なき社団として扱われる。(中略)
権利能力を有しないため、それ自体は、権利能力及び義務の主体となりえないにもかかわらず、社団としての実質を備えて活動しており、時として社団の名において権利を有し、義務を負うごとき外観を生じる。(中略)
したがって、実質的に権利能力なき社団が権利・能力となっている外観がある場合は、権利・義務の帰属は団体の構成員に解消されなくてはならない。(以下略)」(wikipedia)
上記引用文中「実質的に権利能力なき社団が権利・能力となっている外観がある場合」とは、管理委託契約の一方の当事者としての自治会がそれに相当する。そして「権利・義務の帰属は団体の構成員に解消されなくてはならない。」とあるとおり、委託業務履行者がその履行義務と抱き合わせで権利を有していることは明白である。
しかし、公社代表らによれば権利能力を有しないはずの(委託業務履行者を排除した)空虚な自治会に権利が帰属して委託業務履行者には(理不尽にも)義務だけが帰属することになるが、その確かな根拠の存在と説明がかれらの主張には欠落しているのである。
委託事務費は自治会員が拠出する自治会費とは異なり自治会運営費ではない。委託業務遂行者が対価として受け取るべき労務費である。
自治会(会長)にその裁量権があるなどと吹聴する偽善者たちのホラ話はきびしく糾弾されなければならない。